act.1

4/4
前へ
/23ページ
次へ
夜が完全にあける少し前、薄く霧が立ち込めるなか家に帰った。 『黒獅子』から『中丸雄一』に変わる瞬間。 自分自身、どこでスイッチの切り替えがされているのか分からない。 本当の自分がどっちなのかなんて、今となってはどうでもいい。 中丸雄一があるから黒獅子が存在する。 黒獅子があるから中丸雄一が存在する。 相反する二人は、背中合わせの運命共同体だ。 「おはよう、父さん、母さん」 さぁ、壊れた仮面を被ろうか  
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

375人が本棚に入れています
本棚に追加