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夜が完全にあける少し前、薄く霧が立ち込めるなか家に帰った。
『黒獅子』から『中丸雄一』に変わる瞬間。
自分自身、どこでスイッチの切り替えがされているのか分からない。
本当の自分がどっちなのかなんて、今となってはどうでもいい。
中丸雄一があるから黒獅子が存在する。
黒獅子があるから中丸雄一が存在する。
相反する二人は、背中合わせの運命共同体だ。
「おはよう、父さん、母さん」
さぁ、壊れた仮面を被ろうか
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