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家に戻った後、『中丸雄一』が起きる予定の6時半まで高校の課題と予習をやっていた。
頭が妙にスッキリしている。
ペン先が思った以上に進む
気付けばもう、6時だった。
階下から音が聞こえる。母さんが起きたのだろう。
もうすぐ父さんも起きてくる。
知らず知らず、溜め息が出ていた。
父さんは、現職の国会議員である。母さんは、某外資系企業の次女に生まれた。
俗にいう政略結婚だ。
父さんは二世議員で、祖父は元民生党幹事長という重要なポストについていた政界のドンだった。
三世は俺。父さんは祖父に求められたような完璧を、俺にも押し付けてくる。
…息苦しくて仕方ない。
家族が嫌いなわけじゃない。
ただ、…自分の見失いそうになるだけだ。
鞄に、教科書・ルーズリーフ・筆記用具を入れてチャックをしめる。
余計なものはいらない。
学校は、恋だの愛だの青春するところだの言ってるやつがいるが、学校というものの本来の意味を勘違いしてるんじゃないだろうか。
学校は学ぶ場所であり、恋愛するところではない。
制服のYシャツに袖を通す。きちんとアイロンのかけられたものに堅苦しさを覚えた。
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