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ニューヨーク。ブランドショップが立ち並ぶ一等地。
その一角で杉崎ミチは藤色の手ぬぐいを頭に巻いて、腰からのショートエプロンに打ち合せの紙を突っ込んで叫んでいた。
「ちょっと!良純さん!入り口の松。これでいいの?砂利は?黒が多いよ。白の那智石もっと増やしたら?」
ミチは初めての個展、しかも舞台はニューヨークとあって熱くなっていた。
ミチの背中ごしには黄色いタクシーが派手なクラクションを鳴らしながら行き交い、高級店の紙袋をさげた人たちは日本庭園のようなディスプレイに足を止めていた。
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