呂散と青木とダンゴ虫

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ミチはこぼれそうになる涙を必死にこらえた。 「仕事中に泣くと先生にバカにされるから泣かない!」 そう言いながらミチは素早く涙をぬぐった。 「呂散は一緒にいるよ。ミチの書にはアイツが宿ってる。」 良純は『愛』と書かれた大きな書を指差した。 2メートルはあろう大きな黒い紙に溶けそうに薄く黒く、繊細に白く純粋に書かれた愛の文字。愛はわかりづらく儚く、でも強く優しく。 この『愛』という思い出の作品が後にミチの人生を変えていく事になる。
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