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「それじゃーお願いします。」
私が静かに言って頭を下げると、
「まっかせなさーい!」
優姫は私の両肩を掴んで、奥の部屋へと連れて行った。
「できたよ! 莉海・・・目を開けて!」
優姫に言われて、私はゆっくりと目をあける。
鏡にうつった私はほんのりと化粧をしていて、長いロングの髪は綺麗に結われて、一つにまとめられていた。
そして、優姫が着せてくれた浴衣は白地に赤や黄色の大きな花が描かれ、自分でもかなり大人びた印象だ。
いつもの私とは別人・・・・・・
「莉海・・・とっても綺麗よ。あんたはもともとかわいいから何着ても似合うしねーーー!」
優姫は私の両肩をポンポンと叩いて笑ってくれた。
「ありがとう・・・・優姫・・・・・」
優姫は笑って、
「何言ってんの!私達親友じゃない!さぁこれから新を捕まえに行くわよ」
「捕まえるって?え?」
「やだ! 莉海。あんた知らないの?今日のお祭りの警備の担当を新がやってんのよ!」
そうだったんだ・・・
だってケンカして以来、まともに顔も見てないし・・・
道で会っても、私、ずっと逃げてたしなぁ・・・
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