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「えーーーと時間は?・・・きゃっ もう18時じゃないっ!」
お祭りがはじまる時間は17時・・・
新は今ごろ警備の担当で忙しくしているだろう・・・
「美紀とも待ち合わせしてんだったぁ!急がなくちゃ!」
優姫はちょっと待っててねーといって、自分の浴衣を自分で着始めた。
私はボーッとしながら、てきぱきと着替える優姫を見ていた。
「なぁにぃ? 莉海ったら、さっきからずーっと見てるけどぉ・・・そんなに優姫ちゃんが色っぽいわけ?」
ニシシなんて笑う優姫。
「え?うん///優姫は綺麗で、女の子らしいなーって思って。みとれちゃったよ。」
「は? へんな、莉海。」
だってさ、自分で浴衣着れちゃうなんて、本当優姫ってそういうところ女の子らしいよね・・・
私なんて・・女の子らしいことなんて何ひとつ出来ないし・・・
なんの取り柄もないし・・・
新はどうして私なんかが好きなんだろう・・・
ただ幼馴染ってだけで、近すぎる存在だったから?
そんなの嫌。そんなことをすぐに考えちゃう自分もすごく嫌。
なんとなく悲しくなって、うつむいてしまった。
「ねぇ 莉海。」
優姫は体に帯を巻きつけながら、話しかけてきた。
「なぁに?」
「そういうポケッとしてて、器用な事なーーんにも出来なくて、見てるとこっちが思わず助けてあげたくなっちゃうような所が、新も好きなんじゃない?」
「え?」
「安心しなさい。 莉海。あんたのそのかわいい笑顔で新ー!!って いつもみたいに元気に名前を呼んだら、あいつはそれだけで、莉海を許しちゃうに決まってんだから!新は莉海に本っ当に弱いからねーー」
「優姫・・・」
「いじけてる莉海もかわいいけど、やっぱり笑ってる莉海が一番かわいいって!」
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