†1章† ~侵入~

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「京介くんっ!」 お、戻ってきた。制服キチンと着用してまでビシッと決めているし。 「ごめんなさい、私が当番だったのに…。京介くんに迷惑かけちゃって……」 自覚、あったんかい…。 「…まったくだぜ。おかげで朝メシのおかずが目玉焼きオンリーになっちまっただろ?」 「えっ…?」 「桃香の朝メシが俺の原動力なんだからさっ、頼むぜ?」 「…うん…///」 だが、これで何日持つやら…。 そして……。 「今日が久々の日直か、俺…」 「サボらないでよね?京介くん、こういう類は全部すっぽかそうとするんだからっ」 「仕方ねぇだろ…俺は細かい作業とか苦手なんだよっ」 登校中は大概こんな駄弁を桃香と振っている。それが日課みたいなモンだしな。 「そんな言うんだったら桃香が代わってくれよ~。俺はめんどくさい事が大嫌いなんだっ!」 「だ~め!任されてるんだからしっかりやりなさいっ」 「ちぇ~っ、ケチ」 「京介くんはいっつもそうなんだから♪」 くすくすと笑う桃香。しかし俺はいじけると決め込んだら…と、トラップ発見~。 「桃香、下がれ」 「?」 「いつもの」 「あ………」 そう、桃香と登校する度にやってくる奴らの罠。俺は通称トラップと命名している。 「…ったく、懲りずによくやるぜ」 ワザと罠を踏み付け、奴らをおびき出す。それが俺の考えた唯一の対処法。 「海老天京介ぇ~!今日こそは桃香様を奪還してくれるわぁ~!」 今日は三人か。ならこれで十分! 「甘ェな!」 「ぶげらっ!?」 連続足払い+αで撃退。一人星になったけど、まあいいだろ。 「まだまだ俺に喧嘩売る程度じゃねぇなっ♪」 「ぐぼぁっ…!またしても……」 つうか、奪還なんて一回も達成した事ないだろお前ら。
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