第1章 始まりの風

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――――――――――――――――――――――――――――― 「さぁ、今日の事を話して貰おうか?」 昼を過ぎても、ソファーでくつろぐ親父に痺れをきらし、自分から話をきりだす事にした。 「まぁまぁ、そう気にするな。 んな事より、お前も飲むか?」 そう言って親父は3本目となるビールの缶を開ける。 プシュッ…という良い音が上がるが、そんな事はどうでもいい。 「昼間っから酒を飲んでんじゃねぇよ。 ってか、未成年に酒を飲ませようとすんな!」 「んな堅ぇ事言うなよ。 カリカリしてっと若いウチからハゲるぞ」 「テメェにハゲるは言われたくねぇよ!」 「なにぉ!俺はまだフサフサだ!」 「うるせぇ!この前鏡の前で『育毛剤使おっかなぁ…』とか呟いてたくせに!」 「なっ!?見てたのか!? ……って、んな事は関係ねえだろ。 言いてえ事は分かる。 まぁ1時になったら分かるから、後15分待て」 親父はそう言って、少しぬるくなったビールをまた喉に流し込んだ。
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