15歳

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『夜』 夜は怖い。 本当は ひとりじゃ眠れない。 それはずっと昔の 子供の頃から変わらない。 隣の部屋のパパとママ。 争う怒鳴り声に変わる。 いつもドキドキしてた。 ケンカはしないで……! ケンカは嫌い……! けたたましく響き渡る 車のブレーキ。 静寂を破って急ぐサイレン。 空へ汚い叫びを上げる誰か。 今にも地球の終わりを 迎えるような 恐怖の地に追いやった。 ベッドの中で暗闇に 耳をすます……。 静かになるとそれも不気味で 薄明るくなるのを待って 浅い眠りについた。 臆病な子猫は震えてる。 私はひとりぼっちで震えてた。 耳をふさいで。 10年経っても ひとりの夜は 耳をすますくせは 変わらない。 夜が怖かった。 本当はひとりじゃ眠れない。 本当は 誰かに 抱きしめていて欲しかった。image=347317440.jpg
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