15歳

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『電話ボックス』 今夜もまた家を飛び出してきた。 苛立ちに操られるまま 振り返りもしない。 するだけ無駄。 友達には会えない。 こんな姿で誰にも会えない。 学校の前の公衆電話に 逃げ込んだ。 電話ボックスの中は 私の逃げ場所。 ひとりを感じて 素直に泣けるから。 ガラスに映る 私に重なる夜の街に 止まらない車の流れを数えてた。 受話器を上げる……。 …………………………。 空っぽの静けさに 言葉の変わりに涙が答える。 ドライバーたちはきっと 別れ話の最中だと思うのね。 それとも 私なんか小さな存在には 誰も気がついては いないのかも知れない。 だけど いつかは私に気づいて。 コインを入れる振りしながら 夜が明けるのを待ってる……。
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