暗い子

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そんなことがあってからは、一緒に勉強することはやめた。 授業中の携帯使用率が日に日に増す夏美。 別の友達に、美妃という子がいる。この子はとてものんびりな子であるが、嫌いな人はいないというぐらいに毎日笑顔で誰とも話す。 「里美ちゃん。」 「何、美妃ちゃん。」 「最近、夏美ちゃん話しても、あんまり返事してくれないんだけど、なんかあったの?」 私はすぐに分かった。携帯の触りすぎで、少しおかしくなっているんだと。 私は美妃ちゃんに話した 「最近、携帯買ってもらって、うれしいんだろうけど、ずっと携帯触ってるの。」 美妃ちゃんが言った。 「私のおねーちゃんも、似たような感じになって、親が携帯勝手に解約したよ。おねーちゃんマジギレしてたけど。」 どこでもいっしょなんだと思っていた。学生が携帯代を払えるわけもなく、一昔前は、携帯代なんてものすら必要なかったのだから、世の中は不思議である。今では、毎月の出費に携帯代はレギュラー入りしたのだから。 「そりゃそうだよね・・・勝手に解約はマジ勘弁だけど、親としてはそれが一番いいと思ってるんだろうけど。」 私は、美妃と一緒に、今度の日曜に駅前に遊び行こうと誘った。「いいけど、夏美ちゃん大丈夫?私、おねーちゃん見てるから言えるけど、病気に近いんだよ。でも、見た感じ、おねーちゃんよりひどい感じがする。携帯に支配されてるって感じ。」 とにかく誘ってみよと、夏美に話しかけた。 「夏美~。何一人でこそこそしてるの?今度の日曜にさぁ・・・」 夏美の顔を見て、言葉が止まった。 顔いろが、うっすら青く、目の焦点は間違いなく合っていない。 「・・・用事があるから・・・やめとくね・・・」 それ以上話せなかった。
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