幸せ

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・・・・・・・ どれくらい 時間がたったのか まだ生きているみたいだった 雨がやみはじめ 風も弱まり 雷雲も西に流れて 嵐は過ぎ去っていく だけど 僕の命は どんどん弱まっていくのがわかる 今日の朝日の暖かい光は きっと最後の朝日だろう と思っていたその時だった 『あ~ぁ。かわいそうに。どれどれ。』 見た事あるおじいちゃんだ 息子さんから ハガキをもらった おじいちゃんだった 『どれどれ。よいしょ。』 おじいちゃんは僕を起こす 決して体力があるとは思えないおじいちゃん 少し腰が曲がり身体も細い そんなおじいちゃんが 倒れた僕を元の位置に戻してくれた ミカンの木もよけてくれた ヒビが入りそうな僕は 目の悪いおじいちゃんには見えなかった だけど 僕は嬉しかった    
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