何か問題でも?

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ユリアシティ。 そこで、ルークは何かがキレた。 「レプリカレプリカ言ってるけどさ、それに何か問題があるのか?」 ごく自然に、しかしながら同行者を嘲るようにルークは問うた。 「だってさ、俺は自分で言っちゃあ何だけど国政に参加してるし、それなりに成果を上げてる。7年も家に帰らずダアトで軍人になって特務師団長に収まってタルタロス襲撃に参加したり私情でカイツールを襲撃するような奴と違ってバチカルへ戻ってからの2日でカイツール復興の資金捻出もやってきた。それに、レプリカについても記憶障害として0からのスタートの時に知識を貪りつくす一貫で勉強したからある程度気付いていた。勿論陛下もファブレ公爵も知ってる。その上で俺は親善大使並びに国王陛下名代の地位を与えられアクゼリュスに慰問に就かされた。それに、俺が超振動でパッセージリングを壊したって思ってるらしいけど、実際パッセージリングについても障気で限界でヴァン師匠が譜業爆弾で壊したのを、なんとか他の地域が崩落しないように各パッセージリングとの連結を断ち切っただけだ。そんな俺が劣化してる理由ってなんだ?」 ルークの思わぬ言葉。 しかし、同行者に反論出来る術は無い。 道中、我が儘な貴族のお坊ちゃんとして、彼の言動を無視してきたのは他ならぬ自分達だ。 むしろ、アクゼリュスに到着してからは人が変わったかのように的確な指示、それも慰問を変更し(バチカルに鳩を送ってから)住民の避難を先遣隊に命令しルークは代表者に挨拶を交わして高台から状況を把握しようとしていた(同行者達は何もしていないと切り捨てていたが) よくよく考えてみれば様々状況下で、彼は正しい判断を下していたのではないか? そうして、同行者は何も言えなくなってしまった。 「なぁ、俺の何処が劣化してて、何処に問題があるんだ?」 溜め息をこぼしながらルークはまだ訊ねる。 まるで答える事が出来ないとわかっているかのように、執拗に答えを求め…
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