何とも君は・・・

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この学校には、面白い行事があった。各生徒がそれぞれチームを作って、もともと決められた場所の中から生徒だけで旅行に行くのだ。 もちろん、かく宿泊先には先生がいる。 各班のリーダーに携帯が支給される。 今回は、東京、大阪、北海道、沖縄、この4つ。どういう基準で選んでいるのかはわからない。 一説には、先生が行きたい場所を言っているだけとか・・・ 「義雄。一緒に行こうぜ。」目の光は凄かった。 「無理」 またもや光の速さ並みの即答。 しかも一言。 「おーい、行こうぜ。行くやついないだろ?お前」 何が何でもこいつがイイ。 「むしろ一人のほうが問題なく行ける。」 確かにこいつなら一人でも楽しめるかもと思った。 「じゃー仕方ないからついていってやる」 強引な作戦に出た。 「はいはい。」 こうして、2人の史上最強のペアが出来上がった。 「拓也はどこ行きたいの?」 「俺は、東京!つーか東京しかないやろ。」 親指を立てて、体中から宝石のような輝きを放ちながら、太陽のような輝きに満ちた笑顔で笑って見せた。 「お前は、何を聞いていたんだ。今回は東京だけじゃない。東京のほかに、大阪、北海道、沖縄、この中から選ぶんだぞ。いつから、東京しかない話になったんだ。いっつもいっつもそうやって勝手に突っ走ってその辺で転ぶんだよ君は。いいかい、・・・・」 「東京っと。」 話し半分と言うが、むしろ全部と思った。勝手に班構成と行き先を書いて先生に提出した。 「まだ喋ってるなこいつ・・・」ひたすら義雄はしゃべり続けていた。
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