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クラスの予想の遥か斜め上を行く自己紹介を成し遂げてしまった俺は、それからクラス全員の自己紹介が終わるまで机に顔を突っ伏す羽目となった。
様々な疑問が俺の頭をよぎる。
何故、天海は俺の事をこんなに詳しく知っているのか。奴が語った俺の情報には練習試合などまで見ないと分からない情報も含まれていた。
俺の記憶上奴との対面は無いはずだ。……一層謎は深まっていく。
思考の海に沈んでいると、いつの間にか自己紹介は終わっていた。担任が連絡事項を話し、ホームルームが終わる。
俺は後ろに座っているであろう天海に事実を確認することにした。本人に聞くのが一番手っ取り早いだろう。
「お前ちょっと残れ」
俺の問いかけに、なんで? と首を傾げる天海。
……コイツ、自覚ねぇのかよ。
慣れない環境に疲れたのかクラスメート達は足早に教室を後にする。俺と天海が二人きりになるのにそう時間はかからなかった。
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