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綺乃は首を縦に振って、左手のそれらの一つを投げる。
「……お昼ご飯。あんたと、私の」
「……食っていいの?」
「どーぞ?いらないなら、別にいいけど」
「貰うけど、さ。どうして、って訊いてもいい?」
「別に。敢えて言うなら、気分?」
「ふ―――ん……」
つまらなそうに相槌を打った彼を、綺乃はそっと観察してみる。
綺乃の視線に気付いた彼は、ふと面を上げた。
「……なぁ」
「何?」
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