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翌朝、綺乃は学校までの道を、全速力で駆け抜けていた。
昨日の夜つい曲作りに熱中してしまい、寝たのは結局午前二時を過ぎていた。
そして見事に寝坊して、遅刻しそうになっている次第である。
何で、今日に限って。
綺乃は心の中で毒づいた。
今日は、月に一回の門検の日だった。
生徒会役員と生徒指導部の先生数人が、校門に立って持ち物・服装の検査をする。
只でさえ捕まると中年教師の小言を食らうのに、その上遅刻となれば、小言を通り越して説教は確実だ。
面倒事が嫌いな綺乃にとっては、何がなんでも避けたい事態である。
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