生徒会長も遅刻する

2/7
前へ
/114ページ
次へ
翌朝、綺乃は学校までの道を、全速力で駆け抜けていた。 昨日の夜つい曲作りに熱中してしまい、寝たのは結局午前二時を過ぎていた。 そして見事に寝坊して、遅刻しそうになっている次第である。 何で、今日に限って。 綺乃は心の中で毒づいた。 今日は、月に一回の門検の日だった。 生徒会役員と生徒指導部の先生数人が、校門に立って持ち物・服装の検査をする。 只でさえ捕まると中年教師の小言を食らうのに、その上遅刻となれば、小言を通り越して説教は確実だ。 面倒事が嫌いな綺乃にとっては、何がなんでも避けたい事態である。 .
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加