無口×適当

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古典の授業中だった。 ────今の空、綺麗。 彼女が、そう思ったのは。 ふと窓を通して仰いだ空は澄み切っていて、春の穏やかさを表すかのように晴れ渡っていた。 空を見上げた生徒は、明るめの茶髪をショートボブにしていて、左右の耳にピアスが光っている。 彼女の名前は、水戸綺乃【ミト アヤノ】。 よく、名前を読み間違えられる。 特に、下の名前。 初見で正しく読めた人を、綺乃は見たことがなかった。 .
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