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「知り合い?」
「まぁね。で、何でここにいんの」
綺乃の代わりに答えたのは、女生徒の方だった。
「遅刻だよ。チャイムが鳴った後に校門を飛び越えたの。ビックリしたよ」
「運動神経は昔からいい方だったから……。それより、アウト?」
「あ―――、あれはさすがにアウトだな。完全にチャイムが鳴った後だったし」
稚早と呼ばれたのとは違う、もう一人の男子生徒が言った。
「じゃあ、ここに名前を書いて。私たちも後処理が面倒だから先生への報告はしないけど、一応念のためにね」
随分とぞんざいだな、と内心突っ込んだが、綺乃にとっても好都合なので従っておく。
差し出されたノートを受け取り、さっとペンを走らせた。
「はい。これでいい?」
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