生徒会長も遅刻する

6/7
前へ
/114ページ
次へ
「知り合い?」 「まぁね。で、何でここにいんの」 綺乃の代わりに答えたのは、女生徒の方だった。 「遅刻だよ。チャイムが鳴った後に校門を飛び越えたの。ビックリしたよ」 「運動神経は昔からいい方だったから……。それより、アウト?」 「あ―――、あれはさすがにアウトだな。完全にチャイムが鳴った後だったし」 稚早と呼ばれたのとは違う、もう一人の男子生徒が言った。 「じゃあ、ここに名前を書いて。私たちも後処理が面倒だから先生への報告はしないけど、一応念のためにね」 随分とぞんざいだな、と内心突っ込んだが、綺乃にとっても好都合なので従っておく。 差し出されたノートを受け取り、さっとペンを走らせた。 「はい。これでいい?」 .
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加