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視線を黒板に戻す。
白い文字の羅列が、そこにはあった。
教壇に立つ国語教師は、本当にこれは日本語なのかと疑いたくなるような古文を、たらたらと読み上げている。
古典は嫌いじゃなかった。
しかし、何故だか分からないが、今は教師の話に耳を傾ける気にはなれなかった。
綺乃の席は、後ろから二番目の窓側だ。
そのせいもあって、教室のほとんどを見渡すことができる。
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