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「う~………ここはどこなんだろ」
ふと瀬奈が起きると、何もかもが違っていた。あまりにも日常からかけ離れたものが外に飛んだり滑ったりしている。
「やっぱり知らない者だらけってことは。」
そう、瀬奈の直感通り。ここは地球ではない。異世界「ミスティレーヌ」に飛ばされていたのである。
「やっと起きましたか」
ふとドアの方を振り向くと、可愛い男の子が立っていた。身長は160あるかどうか。
「君は誰?」
「僕ですか?僕は八雲祐です。あなたは?」
「私は飛鳥瀬奈。いきなり質問悪いけど、ここはどこ?」
「ここは、ミスティレーヌ。遠い昔に忘れ去られた古の国です。古といっても。ほんの10数年前ですが。」
古くなくないか?と、心で瀬奈が考えていると
「あ、学校行かなきゃ」
八雲祐が通う学校、それは王立魔術大学校。祐が言うにはこの世界では魔法は当たり前のように使われているらしい。
「ということは君は魔法使いってことになるのかな?」
「まぁ、そんなとこです。ちなみに瀬奈さんみたいにこの世界に飛ばされた人もいますよ。」
「誰?」
そう瀬奈が言うと、祐が口を開いて
「卯月春。王立魔術大学校2年生、コア限界量トップ。成績は学年2位。レベル5。僕の友達でもあります。」
卯月。確かに聞いたことがあ………なかった。知らない。無知である。
「では、編入届を提出に行きましょうか。」
え?行くの?待て待て待て。え?本気?ガチ?無理でしょあんな魔術の匂いがプンプンしてるとこなんか行きたくないよ。
「………行くしかないか。どうせあてもない。あとどうやったら地球に帰れるか聞かなきゃ。」
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