一章 若き皇帝

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結局彼女はただ笑うだけで何も言わなかった。 インディスカの木を見上げていたミナミがふと手を叩いた。 「あ、忘れてた!」 「ーー……?」 「陛下!お花見の準備をさせてたの!ほらッ」 ミナミが指を指した方角。 それは、テラスだった。 そのテラスには既にお菓子や紅茶が用意されていた。 「いつの間に!さっき暇とか言ってなかったか!?貴様!」 「うん。言ったね」 「なっ!!?」 「一人だとお花見してもつまんないでしょ?だから陛下も連れて行こうかな…って」 今までで最高に清々しい笑顔でミナミは言い放った。 .
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