一章 若き皇帝

8/11
前へ
/20ページ
次へ
「さ、準備も整ったし、お花見しよっか!」 「お前は…ッ!ーーもういい!」 リーレイは何かを言い掛けて止めた。 腕を組んでそっぽを向くリーレイに、ミナミは吹き出しそうになるのを堪えた。 「せっかくここまで準備をしたんだもの、陛下もお花見しましょうよ!それとも何?皇帝様はお花見することも許されないって言うの?」 漆黒の髪を背中へと手で払い、口端を吊り上げて見せる。 その姿にリーレイは一度溜め息を吐くと、顔を上げて困ったように苦笑した。 「仕方ないな。少しだけだぞ」 「あ!笑った!」 「笑った…か?」 リーレイは口元に手を当て、呆然と呟いた。 .
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加