二章 小さな悪戯

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「そうだ!ピクニックに行こう!」 「何?ピクニック?」 書類から視線を外したリーレイの訝しげな問いかけを無視したミナミは、名案だとばかりに立ち上がりニヤリと笑みを浮かべた。 その笑みに思うところがあったリーレイは、眉間に皺を寄せる。 「ピクニックになど行く暇はない」 「結構よ。私サイと“二人で”行くから」 「サイと………?」 二人で……だと? 一体何を考えている。 「とにかく、お忙しい陛下はこのままお仕事頑張って下さいな」 爽やかな笑顔を見せ、執務室から去るミナミの背中を唖然と見送った。 「ふふふ……リーレイめ。暇を持て余す私の思いを知るがいい」 ミナミは黒い笑みを浮かべ、颯爽と歩き出した。 とある目的の人物の所へ。 .
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