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「えー…だって陛下私の夫でしょー?だったら退屈で死にそうになってる妻の私を助けてくれるのは当然じゃない?」
「だからなぜ俺がいちいち妻ごときの我が儘に付き合わなきゃいかん。ここは執務室だ。出ていけ。仕事の邪魔だ」
冷たい瞳で一瞥すると、ミナミを意識の外から弾き出したのか、書類に目を通し始めた。
まるで視界にも入れたくないとでも言うようなその態度に、自称温厚な性格のミナミは席を立った。
部屋を出て行くかに思われたが、向かった先は扉でもなく、尚且つ仕事に集中するリーレイの元でもなかった。
ミナミが向かった先は部屋を明るく照らす光を通す窓だった。
近付いた途端、その窓を全開に押し開けた。
開け放たれた窓から突風が入り込み、机の上に何重にも重ねられた書類を舞い上がらせた。
一瞬にして部屋中を書類で散らかした張本人は、どこ吹く風でうーんと言って体を伸ばしていた。
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