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2階にあがり、ふと窓から外を眺める。
両親が海外に行ってる間…っていうだけなのに、この家を離れる事が何だかとても、寂しい感じがした。
「…お世話になる人ってどんな人かなぁ。」
マイペースに荷物を鞄に詰めながら、ぼーっとそんな事を考える。
そういえば、相手の人には話してあるから…ってお母さん言ってたっけ…………
当然、お父さんもその人に会ってるんだよね………?
…どんな人か聴いとけばよかった………
今更、後悔しても両親は既に旅立って、いない。
逆を言えば、どんな人なのかくらい言ってほしかったけど。
「まぁ、行けば分かる事だからいっか。」
そんな呑気な事を言って、鼻歌を歌う。
だってこの時は、
このお世話になるのがキッカケで、出会った人たちに
あんなに辛くて、苦しい思いをするなんて思いもしなかったから。
この時のあたしはまだ、子供だったんだ。
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