あとがき+α

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~二人の少女~ 初めて踏む異国の地…巴里から出たことのないあたしにとって、その雰囲気は新鮮に感じた。 日本に向かう数日前、ダンサーの相方でルームメイトでもあるミキが長期休暇を取って帰郷するという話を聞いて、あたしも便乗することにした。 まあ、お兄さんと会う機会なんて滅多にないし、休暇をもらってもやることなんて限られてるからね…せっかくだし、ミキがどういうところで生活してたのかを見に来たってわけ。 「あ…エルザ!こんなところにいたんだ?」 「もうミキったら…一体、何やってるのよ?」 「えへへ…ごめんね?」 「やけに上機嫌ね…さっき誰かとぶつかってたみたいだけど、知り合い?」 「知り合いというか…あの人は、帝国歌劇団っていう劇団の女優さんで、すごく有名な人なんだよ!」 「へぇ…そんな有名人に会えたんなら、何か良いことあるかもしれないね」 「例えば…この辺りでお兄ちゃんに会えるとか!」 「あはは、いくら何でもそれは…」 「……ここで一体、何をしてるんだ?お前達は」 あたしとミキは驚きながら同時に振り返ると、そこには噂の主が立ち尽くしていた。巴里に来た時とあまり変わらない感じのお兄さんにあたしは少しホッとした。 「もう、せっかく巴里から会いに来たのに…」 「そうそう、もっと喜んでくれても良いんじゃない?」 「そうか…それはすまなかったな」 苦笑しながら謝るお兄さんがおかしくて、あたし達は笑った。 END
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