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違う爆弾
2002年1月
“クラウド”に捧げる
先週、私の友人が自殺した。彼女は40代の女優で、アルコール中毒を克服しようとしているところだった。私自身も元アル中患者ではあるが、彼女についてよく知るようになったのは、私が行っているアルコールとドラッグのリハビリが必要な人々に向けた基金集めの活動を通じてのことだ。私達が出会ったのは7年ほど前のことだった。ある時、広い年代の男女が集まる公開カウンセリング・セッションで、彼女は自分の心の大きな位置を占めていた事柄を突然告白しはじめた。物心ついたほんの少女の頃から、彼女は実の父親から定期的に性的な虐待を受けていた。また父親が見ている前で、彼の友人複数からも同じ目に遭った。最初に彼女は父親のことを「聖職者」と説明したが、後に彼らがある種のカルト宗教のメンバーであったことを明かした。そして昨年、私が携わっていたチャリティが、彼女がプライオリー(※ロック歌手の薬物治療等で有名なロンドンのリハビリ施設)で鬱病患者の為の治療を受ける費用を負担することになった。施設を出る頃には彼女の病状はかなり改善した。それは恐らく自分の話を皆に信じてもらえたからということもあるだろう。彼女は安心感を得て、また様々な新しい治療法によって更に良くなる見通しが立った。入院する必要もなくなった。
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