A Different Bomb

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この件に私がはじめて注意を払ったのは、短い間私と一緒に仕事をした男(※ゲイリー・グリッター)が児童ポルノをダウンロードした罪で逮捕された1997年の時のことだった。私は表立って彼を非難することには慎重になっていた。彼は私のミュージカルのひとつに出演していた(※1996年のアメリカでの『四重人格』ツアーにゴッドファーザー役として出演)し、英国の音楽シーンではソフトポップ・パントマイムのジャンルで人気のミュージシャンだった。彼の裁判の際には、彼がインターネットで検索する時にいつも使っていたと言われている「ロリータ」という単語が新聞で何度も書きたてられた。裁判が始まって数週間経つと、「UK Search Terms」の調査によれば最近英国内で最も検索に使わ れた言葉として「ロリータ」がリストの上位になったとガーディアン紙が報じた(よく1位になっているのは『セックス』だ)。これを見ると、検索用語などはただの見せかけだと私には思える。ブラウザに「ロリータ」と打ち込んだのはどんな人達だったのだろうか?その全員が児童性愛者だとはとても思えない。それに反対している人々だっていただろう。 また、一体どんな検索結果が出てくるのかただ興味を持ったというケースがほとんどではないだろうか。 ひどいことに、彼らがインターネットで辿り着いた先では、そのお返しとして逆に彼らのことを見つけている。子どものポルノがあると明言しているサイトを見つけた人が皆、その次の瞬間に「罠にかかる」とは限らないが、彼らがサイトを訪れたという記録は必ずそのサイト内に残り、そのサイトを運営しているポルノ業者は自分達の活動に対して認証と商業的見込みを得る。そして、業者達はこの世界での商売にますます精を出すことになる。
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