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「あー…退屈」
ソファの上でゴロゴロとスカートが捲れ上がるのも気にせずに、動き回る一人の少女。
「…お嬢様。はしたないですよ」
男性の声が響き渡るが、姿が見えない。
「…だって、退屈なんですもの……あなた、何かしたらどうなの? ウィル…」
ぶぅ…と、ふてくされるその表情はとても愛らしいのだが…立膝を立てて座っている姿は見過ごせはしなかった。
「…エリュエス様に見られたらどうなさるんですか?」
溜息を吐きながら、その人物がお嬢様の足に触れる。
その人物は、羽も持っていないのに宙に浮かんでおり小さなその体で一生懸命にお嬢様の足を引っ張っていた。
「いいですわ~。エルは、どんな私でも好いていてくれますもの」
頬を染めて、喋るその姿はとても愛らしかったが…その小人ーウィルは不機嫌そうな顔をして顔を背けた。
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