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しかし、ウィルの咳払いでエリュエスは慌てて後ろに飛び退いた。
「……ウィル…それは、一体何の真似だい?」
慌てふためき顔を真っ赤に染めたエリュエスは、少し格好悪かった。
「お嬢様が、「何かしろ」と申されましたので……旦那様の真似を」
にっこりと微笑むウィルに対し、エリュエスは顔をしかめる。
「……ウィル?」
二人が無言で睨みあっていると、呆れたようにあのお嬢様――ルディが、小さく呟く。
「分かってるわよね?」
「しかし、残念ながら…もうお時間です。さ、エリュエス様は外に出ていて下さい」
「えー!」
ルディは、頬を膨らませウィルを睨むが素知らぬ顔でエリュエスを部屋の外へと押しやった。
「さ、お嬢様…もうすぐ、舞踏会のお時間ですからお召し替えを」
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