なんか赤い奴

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入学から二週間、学校にも慣れてきた今日この頃。 まだ眠い朝の通学路で文本を待つ。行き交う人の波を外れ通りすぎる人々が必ずこっちを見ていくというこの摩訶不思議にもそろそろ慣れてきた。 「よっ!アン!」 アン、文本が付けた俺のあだ名らしい。てか野郎にアンってどーなの? 「おせーよ、行くぞ」 と、いい学校に行く様に促す俺、それにヘイヘイいいならがらついてくる文本。 「それにしても今日もキマってんなーその頭!いいねー赤毛のアン!」 そう、あの日文本に薦められたのは見た目を変える事だった。 生まれてはじめて床屋ではなく美容院に行きヘアカラーなるもので文本の指定の色に髪を染めた。 そうするとだ、こー最初はロックバンドちっくにかっけーと思ったのだが、文本の考えは別にあるらしい。 何故かカッターシャツを着ずに赤いタンクトップを買わされその上にどこからともなく用意してきた丈の短い学ラン上を着せられている。 これではヤンキーではないか!折角ロックバンドちっくでかっけーかもって思ってたのに。 しかし、ピタリと問題も起きてないので効果はある様で……何やら複雑ではある。
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