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男の子がちらっと桜を見ると少女が苦しんでいることに気付き、急いで駆け寄った。
「ねえ、だいじょうぶ?」
「……は、は…な……れ――」
伝えたいことを伝えきれず、少女は倒れてしまった。
「ねえ、ねえ、だいじょうぶなの?」
「…………」
いくら起こそうと体を揺すっても少女が起きる気配はない。男の子は少女が起きない不安からその場でオロオロとしている。
少女が光り始めたのは、その直ぐ後だった。
「えっ?……うわっ!」
先程の地面の輝きと比べ物になら無い程眩い光に、男の子は思わず目を閉じてしまった。
「――……る、…ばる、すばる!」
「……あれ、おかあさん?」
「昴!ああ、良かった……。あなたが急に居なくなっちゃったから心配で心配で……」
昴と呼ばれた男の子は母親に抱かれていた。周りには同じ位の男の子と女の子が1人ずつ、またそれぞれの親と思われる大人6人が居る。
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