第1話

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朝、充電済みの携帯電話から流行りの曲が目覚ましとして流れている。 「うぅ~ん、うるさい……」 その携帯電話の持ち主は眠りを妨げられ不機嫌だが、目覚ましを止めるために渋々と携帯電話を手に取った。 目覚ましを止め、瞼が重い状態で時計を見て、思考停止すること約3秒。 「……か、完全に遅刻だあー!!」 時計は集合10分前を示し、それで一気に目を覚ました少年[河原田 昴(カワラダ スバル)]は瞬く間に制服に着替え、家を飛び出た。 さて、昴の家から高校までは歩いても普通に間に合う距離なのだが、そんなことは頭からすっかり抜けていたので昴は全力で走っていった。 十字路を走り抜けようとした時、横から来ていた人とぶつかってしまった。 「いてて……、ご免な…さ……」 最後まで言い切れず、昴はそのまま固まってしまった。何故なら―― 「おい、俺様にぶつかるとはいい度胸してんじゃねーか!」 ぶつかったのは大柄で、いかにも不良な高校生だったからだ。
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