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「ご、ご免なさいご免なさい!」
「ご免なさい、で済むと思ってるのかよ!わざと遅れて家出て、十字路で美少女との運命的な出会いを期待していたのに……。どうしてくれんだ!」
不良は片手で昴の制服の胸ぐらを掴み、そのまま昴を持ち上げた。
「ひいっ!だ、誰か助け――」
「おはよー、昴!」
突然、後ろから少女の声が聞こえてきた。それは昴がよく知る人物だった。
「あっ、凛花!」
「喧嘩もいいけど、急がないと間に合わないよ~。じゃあ先行ってるから~」
2人に近づいてきた女子高生[五十嵐 凛花(イガラシ リンカ)]はそう言って、そのまま通り過ぎた。
「おい、今の可愛い子誰だよ!知り合いか?今すぐ教えろ!」
不良は必死の形相で昴の胸ぐらを両手で掴んで思い切り揺さぶった。その間、昴が苦しくて何も話せなかったのは言うまでもない。
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