プロローグ

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一度壊れてしまったこの世界にも、子供達が通う学校は復旧していた。 今の世界で期待出来るのは子供達だけ。どの国でも学校に行くことを義務づけられている。今のように学年は別れていないため、色々な歳の人が教室で勉強をしていた。 この物語の主人公である少年は、イタリアにある小さな学校へ通う中学生だ。 「マイル兄さん!」 名前を呼ばれ少年が振り返ろうとすると、突然背中に衝撃が走った。 思わず「グフッ」と声を出し腰を押さえ、その衝撃の正体を見下ろした。 金色の髪を二つに纏めた少女が、少年に抱きついていた。 「ど、どーしたんだよカイナ」 少年の妹であるカイナは何も言わず、マイルの背中に隠れる。その目線の先を見れば、顔を青くした少年達が居た。 ピクリと、マイルの眉が動いた。 「お前ら……」 ヤバいと悟った少年達は顔を余計に真っ青にさせてマイルをなだめようと必死に弁解するが、その言葉の一ミリさえもマイルの耳には入ってこなかった。 「なにオレの大事な妹に手ぇ出してんだぁー!!」 学校のある一角の校舎で、何かが壊れる音と数名の男子生徒の悲鳴が聞こえてきた。 .
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