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殺し屋をやっていて、それを唯一知っているリサとアオバに心配と不安を募らせているのは分かっている
だけど、それでもやめられない理由があるのだ。
「……今回の仕事の報酬は受けといたよ。相手も大満足だったみたい。報酬の2割、しっかりもらうからね」
「あぁ…いつも悪いな、アオバ」
そう言えば、アオバは別にーっと軽く頬を膨らませパソコンへと視線をそらした。
いつも殺し屋の仕事を受けたりするのはアオバの仕事だ。
彼女はどこで覚えたのか、その可愛らしい容姿から考えつかないほどコンピューター関係に関して腕がたつ。
自分専用のピンク色のノートパソコン。それ一つあれば片手だけでそれ方面の情報を掻き集められる。
そして、毎回マイル達の仕事を探し引き受け、その報酬の二割を母であるリサへと渡していた。
それを見たリサは毎回顔を真っ赤にして怒るが、それを止める事は出来ない。
その理由が、報酬の八割の行き先にあるからだ
「残りの八割、ちゃんと病院に振り込んどいたからね。…たまにはお見舞い行きなよ」
「……うん」
静かな部屋に、カタカタとパソコンの音が響く。
窓際に飾られたぬいぐるみの瞳が、パソコンの光に照らされキラキラしていた。
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