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母上はいつも言っていた。 『人に嫌なことはしてはいけませんよ。自分がされたら嫌でしょう?』 幼いボクは無邪気に頷く。 『レイ君は優しい子に育ってほしいから。』 母上の言いつけは絶対に守った。怒られるのが恐いからではなく、きちんとその意味を理解していた。 ボク自身痛いのは嫌いだし、嫌なことされるのもキライ。 ボクは人に献身的に接した。時には偽善だとも言われた。でもボクは心からやっていることだから気には留めなかった。 ボクは母上の望み通りに『優しい子』になった。
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