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彼女はそう言って朔夜の首に手を当てて、朔夜の無事を確認すると、今度は朔夜の手首や頬に手を当てていった。
彼女にとっては、ただ純粋に朔夜の身を案じているのかもしれないけど……それでも私は耐えられなかった。
「ちょっと!! あなた何してるのよ!」
分かってる…彼女は何も悪くないことくらい。
「朔夜は私が気絶させちゃったんだから、私が責任持って連れていくわ」
そんな言葉は、ただの建前。本当は、これ以上朔夜に女の子が触れてほしくないっていう、私の我が儘。
「朔夜は私が連れていくから、もう心配しなくてもいいわよ。どうもありがとう」
それだけ言って私は、少し可哀相と思ったけれど、朔夜の首根っこを掴んで、そのまま引きずるようにしてその場を去った……。
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