幼なじみとの朝

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「あれ、まだ生きてたの?」 不思議そうに首を傾げる彼女。……正直、冗談に聞こえない所がまた、怖い。 「いやいや、今思い返してみれば、あの一言で死ぬとかおれ、どんだけメンタル弱いんだよ!」 「まさか朔夜がここまで精神面で強かったなんて……」 演技なのかどうか分からないが、一つ分かるのは……桜稀が素直に驚いていることくらいだ。 「はぁ……とにかく行こうぜ」 おれはそう言って、これから毎日通う学校――蘭陽高校に向かって歩き出した。 「ちょっと!! 何一人で先に行こうとしてるのよ!」 後ろからは幼なじみの声が耳に入ってくる。 「ふぅっ…………」 どうやら、騒がしい登校初日になりそうだ…。 そう思いつつおれは、後ろから来る奴のために、歩幅を少し小さくした。
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