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毎日続く叱責と鉄拳制裁。
志田は、塞ぎ込む事が多くなり、同期の友人との会話も減っていった。
辛い事は判っていたが、そこまで彼が追い詰められているとは考えていなかった。
『志田、とにかく話をしないか?…どうだ?』小隊長が諭す様に志田に話す。
志田の呼吸が荒い
後頭部に小銃を突き付けられた矢崎士長の眼には、恐怖の色が張り付いている。
かなりマズイ状況だ
恐らく誰かが近付けば、志田は榴弾を落とすか、小銃を発砲するだろう。
いずれにしろ誰かが死ぬ
このままの状態が続けば、不信に思った中隊本部から連絡もあるだろうし、事が知れれば重大事件に発展してしまう。
今なら小隊内の喧嘩、若しくは射撃時の砲の不具合等言い訳はどうとでも作れる。
何より、志田と矢崎士長を助けたかった。
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