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その日はクラス中
沙原美歌の事で
持ちきりだった。
クラスの皆が
一斉に沙原美歌に集まる。
「ねーねー?
沙原さんは何処から来たの??」
「北海道だよ!」
「だから
肌白いんだねー!」
「でも
生まれは東京なんだよー。」
「へぇー!
そうなんだぁ!」
「うん!
事情があって、
あちこちに引っ越してきたから。」
「あ、ミカちゃんって
読んでもいい?」
「うん! いいよ!」
「今度、
家に遊びに行っていい?」
「あ、ずるいぞお前ー!!」
「あはは!
いいよ! 遊びに来てよ!」
「よっしゃー!!」
…うるさいな…
まあ、いじめられるより
ずっとマシだけど…。
僕は隣りで
静かに本を読んでいた。
すると…
「ねえ?
小崎くんも遊びに来ない?」
…え?
ドキッとした。
とんだ流れ弾だった。
「え……
いやー…
あのー…僕はー…」
もう
しどろもどろ。
「あーあー
ダメダメダメ。
こいつと遊んでも
全っ然面白くないから!!」
「それよりかさ
俺らと遊んだ方が
絶っ対面白いから!」
「別に…
皆で遊んだ方が楽しいじゃん!」
「いーのいーの!!」
そうだよね…。
僕
面白くないもんね。
別に
期待なんかしてなかったから
いいけどさ。
僕はまた
静かに本を読み始めた。
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