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昼ご飯の時間だ。
クラスの女子が
沙原美歌の机を
囲むようにして座る。
「美歌ちゃん、
私たちと一緒に
お昼ご飯食べない?」
「うん! いいよ!」
「おかず交換しよーよ!」
「この玉子焼き
美味しいー!!」
なんて会話をしながら
キャッキャッ言いながら
ご飯を食べている。
僕はその隣りで
独り寂しく
日の丸弁当を
黙々と食べていた。
するとまた…
「小崎くん、一人?
良かったら
一緒にご飯食べない?」
思わず
自分が食べていた
日の丸弁当を隠した。
「あ…いや…
「いーのいーの!!
女の子同士の話もあるし、
まあ、小崎はいつも
一人だから。
ねー? 小崎ぃー?」
「う…うん…」
「…そう……」
「さっ、
食べよ食べよ?」
そうしてまた
女子たちは
ご飯を食べ始めた。
「一人…か…」
そう小さく呟いて
僕はまた
思わず隠した日の丸弁当を
一人黙々と
食べ始めた。
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