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それじゃ、さっそく釘をさしておくか。
まずは……「あの二人仲良くてお似合いだと思わないか?」っと。
おーおー、見てる見てる。
今まで伏せていた顔を上げてさぁ。
気付いていなかったのか?
二人がとてもお似合いで、お前じゃ裕也に釣り合わないってさ。
「そうです、ね……。私もそう思います……」なんて無理して言っちゃってさ。
ま、信じたくはないよな。
自分を紹介してくれるはずの友人が最大の敵だったって。
その何も知らない友人が全てを知ったらどうなるだろうな。
応援すると言っておきながら最悪の裏切りをした自分を責めるだろうか。
どちらにしてもこの女と美佳、裕也と美佳それぞれの間には少なからず禍根が残るだろ。
それは俺も望んではいないし、いずれ裕也が告白すれば起こる問題だ。
だから少しでも罪悪感がなくなるように諸悪の根源であるこの女を退場させないと。
ま、「……どうかした?」とでも言って少しは心配してやるか。
俺へ好意を持ってもらわなけりゃ意味ないしな。
「……ううん、大丈夫」なんて誰から見ても辛そうに言われて信じれるかよ。
このまま見せて追い込むってのもアリかもしれないけど、美佳に気付かれるのは正直芳しくないな。
「ちょっと気晴らしに別行動しようか」なんて気遣ってるような事を言ってこの場を離れるか。
案の定、これ以上見てられないのか「うん……」といって同意してるし……。
ほんとすんなり思い通りになって楽だわ。
まっ一応、裕也には連絡しておくか。
探させて折角の時間を潰すわけにはいかないしな。
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