恩情

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あっちゅー間に五年後。 またまた二人の刑事は武藤のアパートを訪れた。 武藤は覚悟していた。 「もう刑事さん達に、迷惑はかけれません。今日はアタシを連行してって下さい」 深々と頭を下げた。 「うん、そうだな。で、どうだった?お遊戯会は」 石狩は優しく語りかけた。 「かわいかったですよ。アタシの息子が、1番可愛く見えましたねえ。親バカですね。カメラとビデオで撮っちゃいましたよ」 「ハハハ。そういうもんだよ、親ってのは」 「ハー」 武藤はため息をついた。 「どーした武藤!」 と石狩。 武藤はぼーっと一点を見つめ 「正義の、来年の小学校の入学式も出てやれないんだなあと思うと・・・」 「出たらいいじゃないか」 「えーっ!」 菅野叫ぶ。 そして 「今日、引っ張らないと、マズいですよ。延ばしすぎー」 と、いきり立つ。 「まーまー、落ち着け菅野君。俺らは武藤を信じた。そして武藤も俺らを信じた。もう一度、信じてやってもいいんじゃないか」 「し、しかし!」 「責任は俺がもつ。大丈夫だ。よし、おいとましよか」 仕方なく菅野も従い、二人は出て行った。
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