ダンデライオン

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止まない雨と共に血は流れていきます。 ライオンは薄れゆく意識の中で思いました。 《もし生まれ変わるならあいつのような姿になりたいなぁ… そしたら、皆に愛してもらえるかなぁ…?》 もう元気な声は出ないのに、ライオンはちっとも寂しくないようでした。 それから春は訪れ、ライオンが落ちた谷底は一面タンポポの花で埋めつくされていました。 タンポポの花はライオンによく似た姿でした。
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