メルト

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ピピピピッ ピピピピッ ピピピ…… 「よく寝たなぁ…」 ミクは目覚まし時計を止めて、欠伸を噛み殺しながら呟いた。 「今日は拓真君とデート❤ 嬉しいなぁ❤」 ミクには今拓真(たくま)という好きな人がいる。 《今日、いきなり抱きしめられたらどうしよう!?》 などと毎朝恒例の妄想に耽っていると 「ミクぅ?起きてる?遅刻するわよ?」 と母の声。 ミクは今行く、と返しながらデレデレ顔で下に降りる。 「ミク!?どうしたの!?その前髪!」 「あぁ、これ?昨日切ったら切りすぎちゃった」 と言うのはウソ。 本当は拓真君に「どうしたの?」って聞かれたかっただけである。 朝食を食べ終えたミクは自室に戻って着替える。 《今日はピンクのスカートにお花の髪飾りをさして、と 上出来❤》 そして、約束の時間に遅れないように家を出た。
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