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上を見上げるとチラチラと星が輝いていて、月もまん丸に光っている。今夜は満月だ。
雲が少し出ていたが、雲から透ける月も淡く光っていて綺麗だった。
近くに公園があったため、そこでゆっくり眺める事に決めた。
芝生に座り込み、夜空を見上げる。
そして、現在に至る。
俺は星の事には詳しくないから星座の名前はオリオン座ぐらいしか知らない。
その唯一のオリオン座も季節的に見れない。
そのため、数分夜空を見たら直ぐに飽きてしまった。
そしたら、昔の事を思い出して嫌な気分が蘇ってきた。
「逆効果だったかな……」
呟き、また一つ溜め息をした。
「飼ってください」
ん?
何処からともなく聞こえた声。
周りを見渡しても誰もいない。
もしかしてオバケ?
「あのー飼ってください」
オバケを飼う?
無理だろ。俺何すれば良いんだよ。
てか、見えないオバケ飼ったって俺の生活には支障は出るのか?
超常現象が起こるのは嫌なんだけどなぁ……。
「聞いてます?」
声をした方に視線をずらすと、芝生と足が擦れた音をたてながら、黒ネコが一匹歩いてきた。
「飼ってくださいってば」
あぁ……俺は疲れているんだ……。
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