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朝起きた時の時間は午前十時を回っていた。
ぐっすりと眠っていたらしく、目覚めも良い。
昼も近いため朝食は昼まで我慢し、食べない事にした。
そんな時に思い出したあの黒ネコ。
全く接点が無い物を考えていたのにも関わらず、思い出したという事はそれ程印象に残ったと言うことだろうか。
しかし、ぐっすり寝たためか、あれは本当に夢だったのでは? という考えも生まれた。
しかし、それは期待できそうにない。
顔を洗おうとし、布団から起き上がろうとする。
(──痛ッ)
少し足を動かしただけで足に激痛が走る。
俺は筋肉痛になるほど寝相は悪くない。
この痛みで昨夜(詳しく言うと今日の話だが)走った事は確実になった。
しかも、寝る前より悪化してしまっている。
俺は慎重に足を動かし、布団の外から出る。
この時点で、目覚めてから布団に出るまで数十分たっていた。
顔と歯を磨きさっぱりしても、考えるのは黒ネコの事。
(アイツ……。まだあそこにいるかな……)
思い立った俺は、外に出ても恥ずかしくない様に着替え、外に出た。
いつもは数分で終わる作業も、筋肉痛のせいで二倍以上掛かってしまった。
若いからと意識していなかったが、つくづく自分が運動不足だと痛感した。
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