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月明かりが、暗い部屋を照らす。
剥いだ着物、露わになっている白い肌。その紅を塗った、薄い唇に、深く口付ける。
貴女は声をあげる。嗚呼、痛いでしょうね、その朱くなった頬は。
けれど、目に涙を浮かべて、声をあげるその様は、私にはとても艶めかしく見えて。
私はたまらなくなって、貴女の中へ侵入する。
一層、声をあげる、貴女。ふと、貴女の顔を見た。
その眼には、憎悪ばかりが浮かんでいた。
何故。何故、 私を拒む。私は貴女をこんなにも愛していると云うのに。
朱くなった頬を、更に痛めつける。
それでも貴女は、私を罵倒するばかり。血の滲んだその手首で、尚、纏めあげられた手を自由にしようとする。
そう、か。そんなに解放されたいのなら、解放してあげましょうか。
貴女は私のものだ。
口角をあげた私の顔を見て、貴女の顔は恐怖に染まる。
貴女が、私を、愛してくれぬと、云うのならば。
私は、彼女の髪から簪を抜き取り、繋がった儘、彼女の首に其れを突き立てた。
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